シリンダーヘッド、クランクケース加工終了!
写真1.加工・整備が終わった部品類 これが今回、加工および整備が終了した部品類。クランクケースはボーリング、シリンダーヘッドは無鉛化対策とバルブシート打ち替え、ダイナモとスターターモータは全バラ・オーバーホール済み!フライホイール面研といったところ。 |
4/9、約2週間振りにオンタリオさんを訪問する。クランクケース、シリンダヘッドの加工と、補機類の整備が終了してきたためだ。オーバーホールの作業も着々と進み、今回の整備部品が上がってくると、後はいよいよ組み立ての行程に入る。 今回は、エンジンの命とも言える燃焼室とバルブ関連、クランクケースのボーリング処理が終了していた。シリンダヘッドの加工では、対摩耗性を向上させるため、バルブガイドにリン青銅のワンオフパーツを奢り、また、接合面については、面研により表面を極僅かに削って平滑にする等、実に細かい作業とノウハウが投入されている。当然、無鉛化対策も施された。ダイナモ、スターターモータ等の補機類も完璧なまでに整備が終了。これが今まで使ってきたのと同じ物かと疑ってしまうくらいの出来上がりであった。 余談となるが、今回訪れた際は、ちょうど東京のサクラも満開となり、気温も暑いくらいまで上昇した。
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写真2.ボーリング処理が終了したクランクケース 今回、660ccボアアップに伴い、クランクケースのシリンダ穴もボーリングにより拡張した。 |
写真3.ボーリング処理したシリンダ穴 ボーリング処理により拡張されたシリンダ穴のアップ。キレイに削られており、φがアップされている。 |
写真4.燃焼室面 シリンダヘッドの燃焼室面。インテークおよびエグゾーストバルブが入っている。シリンダ番号を間違わないよう、片方に黄色のマーキングが施されている。燃焼室の上面は、若干の荒れが見受けられたため、非常に僅かではあるが面研処理にて平滑にしている。面研処理を施すと圧縮抜けを防止することができるが、反面燃焼室容積の減少につながるため、やりすぎると圧縮比が上がり過ぎてしまい、よろしくないとのこと。難しい!!! |
写真5.シリンダヘッド バルブガイドの輝きがまぶしい。バルブガイドについては、オンタリオさんにてリン青銅のワンオフパーツに交換してある。対摩耗性に優れた素材とのこと。イタリア製オリジナル保守パーツは寿命の点で用いない方が良いようだ。このような細かい所にまでノウハウが詰まっている!!! |
写真6.バルブのアップ 穴径の大きな方がインテークバルブ、小さい方がエグゾーストバルブ。インテーク側はバルブシートの打ち替え処理を、エグゾースト側は無鉛化対策を施している。上面が僅かに面研された様子も判る。 |
写真7.バルブガイドのアップ インテーク・エグゾーストの各バルブガイドのアップ。リン青銅の真新しい輝きがまぶしい!!!今回のオーバーホールでワンオフパーツとして制作されたもの。 |
写真8.オーバーホールが終了したダイナモ 右側がファンベルト側。各部が洗浄され、再塗装されているのでまるで新品のようだ。表面にはエンボスで刻印が入っている。「DSV90/12/06/3S 4034346」と読める。 |
写真9.オーバーホールが終了したスターターモータ 向かって左側がフライホイール側。上面に配置されたアームは、ワイヤーで運転席横にあるスターターレバーに接続される。チンクェチェントのエンジンスタートは非常に個性的な方法を採用しているが、この部品を見ると動作が良くわかる。 スターターレバーが引かれると、上面アームはモーター内部のギアをフライホイール側へと押し出すと同時にスイッチを操作し、モーターに電流を流す仕組みになっている。なかなか良くできたメカだ!!! |
写真10.スターターモータ上面に記載された刻印 アームの横には刻印が施されていた。0.68KW、10V、130Aといった文字が記載されている。 |
写真11.面研処理が終了したフライホイール 周囲に施されたギアにスターターモーターの駆動ギアが噛み合い、フライホイールを回転させる。 |
写真12.車体に搭載されたミッション 既にオーバーホールが終了したミッション・コンプリートは、車体に搭載されていた。大分クルマみたいになってきた。エンジンルーム内部は塗り替えていないため、かなり汚れているが、ミッションはピカピカ!!!ああ〜〜アンバランス・・・・そのうちエンジンルームの中も再塗装することにいたしまショっと!!! |
写真13.ミッションのみを搭載したエンジンルームの中 斜め上方から見たエンジンルーム。ミッション本体から延びるドライブシャフトが良くわかる。 |
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取材協力 オンタリオさん |
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