KMZ社のZORKI-11は、前作であるZORKI-10からレンジファインダー部 分を削除したモデルである。ZORKI-11は1964年〜1966年の期間中に、 60,745台が製造された。ロゴマーク以外、ZORKI-10との外観上の大きな相 違は無いように思えるが、良く見るとレンジファインダー部分の削除に伴 う測距窓が無く、そのため本体正面から見たファイダー部分のデザインが 微妙に異なっている。 ZORKI-10のファインダーには、中央部分に焦点調整用の丸い窓があり、 この部分で二重像を一致させてピント調整を行なう。ZORKI-11の場合はフ ォーカシングリングを回すと、ファインダー左端に人間の上半身、全身、 森林のマークが、びっくりするほどの大きさで現れる。距離はこのマーク を参照して目測で決定する。 フォーカシングリングは1.5m〜∞で3段階のノッチが付いているが、 ZORKI-10にはこれが無い。外観デザインは、前述したようにZORKI-10とほ とんど同じであり、1961年に発売されたリコー製EEカメラ、RICOH AUTO- 35Vのコピー製品となっている。
メーカー | KMZ社 |
モデル名称 | ZORKI-11 |
製造期間 | 1964年 - 1966年 |
総生産台数 | 60,745 台 |
掲載モデルの製造年 | 1966 年 |
掲載モデルのシリアル番号 | 6609972 番 |
シャッタースピード | B、1/30 - 1/500 |
搭載レンズ | INDUSTAR-63、45mm/F2.8 |
搭載レンズのシリアル番号 | 0064877 |
搭載レンズのマウント形式 | 固定 |
レンズにはZORKI-10と同様、INDUSTAR-63、45mm/F2.8が搭載され、レ ンズの周囲には一面セレン受光部が配置されている。ファインダーの下部 には、セレン受光素子による光量測定結果が指針で表示される。 ZORKI-10は1964年〜1978年の期間に製造されたが、ZORKI-11は発売年は 同じで終了年は1966年と短い。そのため、総生産台数もZORKI-10が33万台 に対してZORKI-11はたかだか6万台程度と少なくなっている。ZORKI-10〜 12の製造年と台数をまとめると、以下のようになる。 ZORKI-10 1964年〜1978年 332,144台 ZORKI-11 1964年〜1966年 60,745台 ZORKI-12 1967年〜1968年 7,200台