これまで海外ブランドの謎ぱ~機を紹介してきた本連載だが、初めて日本メーカーの端末について取り上げた。NECが1995年に社内限定販売した携帯電子メール端末のVT1である。この製品は、後のモバイルギアのパイロットモデルでもあった。筆者は、この端末を三台保有しており、うち一台は、元箱入のデッドストック状態で保管されているのだが、入手の経緯については、今となっていは忘却の彼方である。
日本メーカーと書いたが、厳密には、Made in TAIWANで、筐体裏面の銘板シールにもその旨が明記されている。本機の外観は、台湾の有名な謎ぱ~メーカーであるTidalwaveのME-386とほぼ同じである。同社は、このME-386を様々なブランド名でOEM販売しているが、VT1もこのマシンをベースに開発された製品なのかも知れない。
日本メーカーの製品であるため、当然のことながら最初から日本語化が施されており、キーボードも日本語対応となっている。マシンの電源を投入すると、独自のシェルプログラムが立ち上がる仕様となっていたが、特定のキーを押下することにより、このシェルプログラムをバイパスしてDOSに降りることが可能だった。DOS環境では、内蔵されているFEPが利用できないという問題があったが、別途市販のFEPを組み込むことにより日本語入力が可能だった。このあたりに謎ぱ~的フレーバーを感じさせられたものだ。
今回の前フリでは、前号に引き続いて電卓コレクションについて書いた。筆者の一番のお気に入りのTexas Instruments製のヴィンテージ電卓、TI-2500シリーズである。1972年から1974年までの間に、合計6つのバージョンが発売されたこの電卓は、70年代特有のスペースエイジ的な雰囲気を漂わせた曲線的なフォルムを持ち、「2001年宇宙の旅」に出てきてもおかしくないデザインだ。表示部には、12桁の赤色LEDが採用されているが、それがまた近未来的な趣があり実に魅力的なのだ。