前号で取り上げた謎ぱ~界の異端児、LC-8620の次は、比較的「マトモ」な製品とも言える香港製のパームトップ機、Group Sense Limited製のPTV-30とPTP-20を紹介した。「マトモ」とは言え、あくまで謎ぱ~機としてはという条件付きで、この二機種は、同じメーカーの製品とは思えないほど外観や性格が異なっている。
PTV-30は、極めてオーソドックスで無骨な形状で、拡張性を重視したI/Oポートを備えるなど実用的な端末に仕上がっている。対してPTP-20の方は、HP200LXを意識した、華奢でお洒落なデザインで、サイズも一回り小さく電子手帳を思わせる薄さである。PTV-30は、携帯端末及び電卓廃人御用達の通販ショップとして有名だったアメリカのEduCALCで販売されたこともあって、日本でも入手が比較的容易だった。これに対してPTP-20は、日本では全くと言ってよいほど無名で、入手が困難なマシンだった。筆者は、1994年のCOMDEX Fallで初めてこのPTP-20を目にして、その香港製とは思えないデザインに一目惚れしてしまった。しかし遥々香港の電脳街まで出向いて探したのだが入手することができず、手に入れるまで一年近くを要した経験がある。
性格が全く異なる二つのマシンだが、DOSベース謎ぱ~機としての素性は比較的良いため、DOS/C化には、それほど苦労することはなかった。日本語FEPの組み込みも容易で、総じて扱いやすいマシンであった。
今回の前フリは、ニキシー管電卓について取り上げた。この時期、筆者はロシアカメラ趣味に飽きて電卓収集にハマっていた。当初は、電池駆動のポータブル電卓を収集していたのだが、ある時からニキシー管表示のデスクトップ型電卓を集めるようになった。ネオン放電により「ボーッ」とオレンジ色に発光する、アナログ的な表示に得も言われぬ魅力を感じていたのである。