■ RICOHFLEX Model VB ■
|
RICOHFLEX ModelVB 外観 |
|
RICOHFLEX ModelVB 正面 |
|
RICOHFLEX ModelVB 側面 |
|
RICOHFLEX ModelVB 背面 |
このRICOHFLEX ModelVBは、筆者が小学生の頃、今は亡き親
戚のおじさんから頂いたものだ。思えば、これを使い始めたのがきっかけで、写
真が好きになってしまったのかもしれない。しかし、筆者の親戚には凝り性で変
わり者が多いとはいえ、小学校四年生の子供に、このようなフルマニュアルのブ
ローニー版カメラを提供するとは、良く考えてみるとんでもないことだ。写真に
ついての知識がかなり無いと使いこなせないような製品だから、子供が使ってう
まく写るハズが無い。おかげでかなり失敗を繰り返したものの、少しずつモノに
なってきたのは驚きであった。
RICOHFLEX ModelVBについては、詳細な記録が無いので不明
な点が多いのだが、おそらく昭和25年前後の発売と思われる。本体底部の三脚
取り付け用ネジ穴周辺には「Made in Occupied Japan」
(占領下の日本製)の刻印があるので、終戦後間もない頃のものであろう。この
カメラは、結局高校卒業頃まで愛用していた。機構が単純であるため、古い製品
の割には長持ちしたものである。
|
RICOHFLEX ModelVB 裏面 |
|
MADE IN OCCPIED JAPAN の刻印 |
|
革ケースに刻印された MADE IN OCCPIED JAPAN の文字 |
|
絞り設定レバー |
|
シャッターチャージレバー |
カメラはファインダーレンズと撮影用レンズが分離した構成で、構図はカメラ
上部の蓋を開け、スリガラスに写った風景を見ながら行う。ピント調節用として
ファインダー上部には虫眼鏡が付いており、スリガラスに写った風景の詳細を確
認できるようになっている。ピントはレンズ周辺部に設けられたレバーを回転さ
せて合焦させる。シャッタースピードは、レンズ周辺部のリングを回すことによ
り、また絞りはレンズ周辺部のレバーを動かすことにより設定する。シャッター
は2段階方式で、上側レバーでチャージしておき、下側レバーで切る。シンクロ
用の接点も搭載している。
このカメラのスペックを、下記に示しておく。
・レンズ :RICOH ANASTIGMAT
・焦点距離 :1:3.5 f=80mm
・シャッター速度:1/100、1/50、1/25、B
・絞り設定 :3.5〜22
・使用フイルム :6×6cmブローニー版
・シリアル番号 :94683C
|
レンズ周辺部のアップ |
|
SEKONIC 露出計 Model36 外観 |
|
SEKONIC 露出計 Model36 裏面 |
RICOHFLEX ModelVBは、当然のことながら露出計など内蔵し
ていない。従って、別途露出計を用いて測定し、設定する必要がある。このカメ
ラとペアで使っていた露出計が、SEKONIC LEADER DELUXE
−2 Model36だ。当時としては一般的な機能を持った露出計で、セレン
集光部は使用時に3段階に設定できた。この露出計の製造年月は不明。シリアル
番号は155113となっていた。
|
集光部を全てセットしたところ |
|
裏側銘版のアップ |
最後に、このカメラで撮影した無数の写真の中から、一枚だけ掲載しておく。
この猫の写真は、1968年、当時小学校4年生であった筆者が、このカメラを
もらった親戚の家で飼い猫を撮影したものだ。実はフィルム1本全て使って、ま
ったくのまぐれで偶然良く撮れていた写真である。残りは全て20世紀の抽象画
のようになってしまったのだが。。。。。ブローニー版なので本来は正方形の画
像であるが、パソコン取り込み時にトリミングをかけている。
|
RICOHFLEX Model VB サンプル画像 (1968年撮影) |
< BACK