新地蔵峠付近の廃バス(1999年10月) |
信州上田市と松代市とを結ぶ県道35号線は、長野真田線という名称が付いており、途中標高1,033mの新地蔵峠を越える山間の道路だ。上田市側からは傍陽川という河川に沿うような形で峠まで登り、峠を越えてからは蛭川という川に沿って松代市街へと向かう。途中ドライブイン等の施設はほとんど無く、見所といえば新地蔵峠の展望台程度といった寂しい裏道である。ここに掲載した廃バスは、この県道35号を新地蔵峠に向かって上田市から登る途中に発見した。正確な場所は確定できないが、おそらく矢坪温泉入り口の近傍だったような気がする。 Google Maps上での位置は、下記の通り。 新地蔵峠付近の廃バス |
この廃バスは投棄されてからかなり時間が経過しているようで、痛みが激しい。元々は肌色と緑色の2色に塗られていたと思われるが、塗料もはげ落ちており正確な色は不明だ。バス後部の丸みを帯びた形状と、本体に打たれた無数のリベットから察するに、相当古い年式のものと思われる。バスマニア諸兄であれば、たちどころに年式とメーカーを確定するのだろうが、あいにくと筆者にはその知識は無い。バスの中には廃棄物が山積みになっており、マムシも潜んでいそうな人外魔境の様相を呈している。 バス側面には「○○自動車株○○社」の文字が辛うじて見受けられた。側面非常口の下には、バス会社のロゴマークと思われるものも残っていたので、これから会社を特定することはできそうだ。この場所は不法投棄されている車両が多く、この廃バスの他にも数台が放置されていた。うち一台は「山崎工業株式会社」と記載されたニッサンのバスであった。この県道35号線は、山林の中を通る静かな道で、廃バス群もひっそりと隠れるように放置されていた。周囲の自然と人工的な廃棄物とが妙にとけ込んでおり、不思議な風景であった。
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