旧神奈川中央衛生試験所 (2014年05月) |
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横浜駅から市営地下鉄ブルーラインに乗車し5つ目。「阪東橋」駅で下車して、徒歩約10分の所に、旧神奈川中央衛生試験所の古びた建物がある。昭和2年(1927年)建築の鉄筋コンクリート3階建てで、裏手には「神奈川県埋蔵文化財センター」がある。設計は神奈川県の営繕課であった。現在、この建物には「神奈川県立高等学校教職員組合」の表札が有るが、実際に使用されているのかどうかは定かでは無い。また、今後保存されるのかどうかも判っていない。 神奈川県衛生試験所は、1902年(明治35年)11月に「ペスト検査所」として発足した。その後、1937年(昭和12年)03月に「神奈川県中央衛生試験所」と改称し、総合衛生試験機関となる。現在は「神奈川県衛生研究所」となり、場所は神奈川県茅ケ崎市に移転している。 旧神奈川県中央衛生試験所の建物は、中央部分が3階建て、両サイドが2階建ての堂々とした造りだ。建ってからかなりの年数が経過しているのだが、痛みはそれほどでも無いように見える。構造部材がしっかりとしていたからであろう。正面から見ると、戦前の建築らしい威圧感がある。正面出入り口は、まるで銀行の金庫室の扉を思わせるデザインだ。門柱の造形も凝っている。門柱には表札の跡があるだけで、何も掲示されていない。
取材した時は、建物前の敷地が駐車スペースとして使用されていたが、建物内部に人の気配は無かった。裏側に回ると、外壁の一部を改修したような跡が見受けられた。側面に設けられた窓からは、内部にアーチ形状の造作が有ることが確認された。今後の保存計画については全く判らないが、貴重な建築物として、是非整備し、内部を公開して欲しい。
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Googleマップ上での中央衛生試験所の位置。首都高速神奈川3号狩場線高架沿いに建っている。近くには「浦舟水道橋」が有る。
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1975年に撮影された航空写真。この時代には、まだ川の上に高速道路の高架が無かった。赤枠で示した所が中央衛生試験所。
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横浜市の歴史的建造物に認定されている「浦舟水道橋」から中央衛生試験所を見る。トラス構造の鉄橋は、目にも鮮やかな赤に塗られていた。
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銀行にある金庫室の扉を思わせる、重厚な作りの正面玄関。左側には、「神奈川県立高等学校教職員組合」の表札が架かっている。
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建物のファサード。威圧感がかなり強い。中央部分は3階建て。両サイドは2階建て。
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窓の配置に注目。すごいシンメトリーがある。
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各窓には、外側に張り出したような網戸が付いていた。
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中央正面部分に施されている装飾。
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旧神奈川中央衛生試験所の隣りにある「公務員中村町宿舎」の3階踊場から撮影した写真。建物の上部構造が判る。
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旧神奈川中央衛生試験所の門柱。表札には剥がされた跡がある。門柱ひとつ取っても、このような装飾が施されている。
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旧神奈川中央衛生試験所の側面。左側み見える近代建築は、神奈川県埋蔵文化財センターの施設。この角度から見ると、建物の一部が補修されたかのように白っぽくなっているのが判る。
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旧神奈川中央衛生試験所の側面。中央の窓だけアルミサッシに変えてある。良く見ると、建物内部にアーチ型の造作が確認された。是非とも内部を公開してもらいたいものだ。
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旧神奈川中央衛生試験所 【NIKON COOLPIX P330】 (動画)
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旧神奈川中央衛生試験所 【NIKON COOLPIX P330】 (動画)
、「浦舟水道橋」から見た試験所の外観。 |
旧神奈川中央衛生試験所 【CHINON Bellami HD-1】 (動画)
「浦舟水道橋」から見た試験所の外観。 |
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