2002年10月09日、渋谷区神宮前にあるワタリウム美術館へ、展示会を見に行った。何の展示会だったかは忘れてしまったが、確かマックス・ビルやヨーコ・オノ、アンディー・ウォーホールが出展していたような気がする。その帰り道、外苑西通りを千駄ヶ谷駅方向へ歩いていると、古いアパートメントが目にとまった。これが原宿団地である。
原宿団地は、1957年に竣工した日本住宅公団の団地で、正式名称を「原宿住宅マンション」と言う。当時としてはモダンなネーミングだが、団地の設計はアントニン・レーモンドに師事した津端修一が行った。普通の公団住宅と異なり、ガラスエリアが広く開放的な感じである。現在は「ザ・神宮前レジデンス」という名称の高層マンションに建て替えられてしまった。
2002年の取材当時、敷地内には6棟の団地があり、うち2棟がスターハウスだった。各棟とも5階建てで、階段室が外側から見えるオープンな設計になっていた。南面はガラスエリアが広く取られている。取材時で既に築後45年が経過しており、老朽化が激しかった。敷地内には木が鬱蒼と茂り、暗い感じすら受ける。但し、竣工当時は、モダンで明るい敷地だったのであろう。
場所柄、クリエイターのような業種の方も入居していたようで、団地内には真っ赤なシトロエン2CVが駐まっていた。幌にほつれが有り、ボディーも痛んでいるが、程良く使い込まれた車体は好感を覚える。取り壊されたとは言え、都心のど真ん中、一等地に、50年以上の長きに渡って良くも建っていたものである。
Google Maps上での位置は、下記の通り。
原宿団地
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