リストマーク 中外鉱業清越金鉱山廃墟 (2000年01月)

写真1:中外鉱業清越金鉱山外観


写真2:中外鉱業清越金鉱山内部


 中外鉱業清越金鉱山は、西伊豆は田方郡土肥町にある閉鎖した金鉱山である。伊豆半島には、ここ清越金山の他にも、土肥金山、持越鉱山、大仁金山など、多くの鉱山が存在する。清越金山は土肥金山の近くにあり、比較的最近まで操業していたところのようだ。

 清越金鉱山は、修善寺から国道136号を通って土肥峠(船原峠)を越え、土肥の街に出る直前の、山の斜面にある。国道からの注意していると選鉱場跡を確認することが可能だ。伊豆大仁にある大仁金山の選鉱場と比較すると、規模的にはかなり小さい。しかし最近まで操業していたこともあり、保存状態は比較的良い状態にある。

Google Maps上での位置は、下記の通り。
中外鉱業清越金鉱山廃墟

 清越金鉱山の選鉱場前広場は、地元の土建会社が資材置き場として利用しており、一見現在も稼動しているかのように見える。しかし、その奥にある選鉱場の建物は、ガラスも割れ廃墟の様相を呈している。選鉱場へは、資材置き場の右側からアプローチする。狭い入り口を通って選鉱場に入ると、右側にトイレが、中央奥には休憩室があり、放置されたトロッコと軌道の跡が残る。選鉱場は全部で三層構造となっており、この入り口の部分が第一層になっている。

 各層は階段状になっており、それぞれのレベルには、そこかしこに掛けてある木製階段で移動することが可能だ。建物の内部構造は、至る所にある木製階段と踊り場で、非常に複雑な構造になっている。雑誌「萬」では、この内部構造を、「新劇の舞台」もしくは「ミュージカルの舞台」と呼んでいた。大仁金山の選鉱場もそうであったが、構造が階段教室のようになっているところが面白い。しかし、大仁金山では7層〜8層近くの段で構成されていて、重機械が多く放置されていたのに対し、清越金鉱山選鉱場は小規模で残されている機械類の数も少ない。

 構内には、机や椅子、マスクやストーブ等が放置されたままとなっている。まるで、ある日突然操業を止めて、そのままにしておいたかのようだ。休憩室の壁には防火当番の名札が架かり、用具入れの扉にはヌードポスターが掲載されていた。取材を行った2000年01月02日は、選鉱場周辺にも人気が無く、物音といえば近くの国道を通過する車の音だけであった。


写真3:第三層への階段途中から第二層を見下ろす


写真4:第二層の木製階段部分


写真5:休憩室内に放置されていた引き出し


写真6:床に散乱したベルトコンベアのローラ部品


写真7:第三層に置かれていた長椅子


写真8:第三層部分のトロッコ軌跡


写真9:休憩室側面


写真10:第一層工場内の柱に架かるベル


写真11:第二層に残されていたウインチ


写真12:第三層作業場


写真13:第一層にあった流しの跡


写真14:第三層のトロッコ軌跡


写真15:第三層作業場の工場外観




>> 廃墟系Top



Copyright (C) Studio Pooh & Catty
2002 - 2003