信濃追分付近の廃車ヤード(1999年08月) |
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廃墟好きの人間にとっては、廃車ヤードというのも気になる存在だ。特に筆者のような車好きにはたまらない魅力がある。廃車ヤードにもいろいろあり、プレス装置で一台ずつ煎餅のように押しつぶして堆積したところもあれば、ここに掲載したように、そのまま積み重ねて放置したところもある。どちらも廃風景としては魅力的であるが、原型を保ったまま堆積してある方が、より感情移入できるような気がする。この廃車ヤードは、有名別荘地の解体屋だけあって整然としているが、北関東某所にあるヤードは、堆積した車に蔦がからまり、思わず念仏でも唱えてしまいたくなるような光景が展開されているそうだ。是非場所を特定して見学したいものだと思っている。
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ここに掲載した廃車ヤードは、以前旧車専門の雑誌、「Old Timer」で紹介されたことがあり、気になっていた。場所は、しなの鉄道沿線、信濃追分駅の近くにあり、軽井沢周辺では唯一の解体屋となっている。廃車ヤードは2ケ所にわかれており、規模的にかなり大きな解体屋だ。一般的な解体屋と異なる点は、写真にも示した通り、極めて整然と片付けられていることであろう。別荘地として有名な軽井沢の近くということもあり、近隣住民に気を使っているのが伺われる。しかし、道路上に廃材はおろかチリひとつ落ちてない解体屋というのも、ある意味シュールではある。 Google Maps上での位置は、下記の通り。 信濃追分付近の廃車ヤード |
廃材の山 同行した悪友であり、流しの整備工として名高いRandy氏は、この光景を見て「廃人、廃材の山を眺め、己が行く末を思う・・・」と呟いたことは、つとに有名である。 |
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第一ヤードは、廃車置場と解体場の、大きく2つに分かれている。解体場の近くには、取り外したエンジンや廃材が山のように積まれていた。特に廃材置き場は圧巻だ。自動車から取り外した部品やバイク、自転車の部材が、山のように堆積しており、なぜかその頂上にポツンとワンボックスカーの廃車が置かれている。これはデッドテクアートそのものだ。また廃エンジン置き場も強烈で、取り外されたエンジンはパイプやコードが付いたままになっているため、まるで内蔵をもぎ取ったかのような感じを受け、これはこれでアートしていると言えよう。
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ヤードの一角には博物館とも思える倉庫があった。中を覗くと、極めて旧式のガソリン給油機や拡声器、回転灯、ラジエターなどが並んでいた。解体した部品のうち、再利用可能なものを保存しておく所と思われる。 第一ヤードから徒歩5分ほどのところ、しなの鉄道を渡った反対側には、第二ヤードがある。第一ヤードには旧車の類はあまり見受けられなかったが、第二ヤードには若干古い車も置いてあり、見ごたえがある。第二ヤードは、畑の中にまるで古墳のように車が山盛りになっており、非常に目立つ。車の積み方は、第一ヤードのように整然としておらず、乱雑だ。117クーペやJAFの古い牽引車等、なかなかレアな車もあった。 別荘地の定番である軽井沢という場所で、車の終末処理場を見学するというのも、両者の対比が際立っているだけに、なかなか乙なものだ。
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信濃追分付近の廃車ヤード 【クリックで拡大】 |
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