PC CHIPS M760V (1999)

写真1:PC CHIPS M760V MB 表面


■台湾のマザーボードメーカー、PC CHIPS社のSlot1マザーボー
 ド、M760V。ボード寸法は24.5×22cm。ATXフォームファク
 タの一般的なマザーボードである。                  
■チップセットにVIA社のApollo MPV4チップセットであるBX
 −Too AGPチップセットを搭載。搭載チップは下記の2種類で、どち
 らもBGPパッケージとなっている。                 
 ・VT82C686A (North−Bridge)         
 ・VT82C596BX(South−Bridge)         
■対応CPUはPentium−II(233〜500MHz)とCeler
 on(266〜433MHz)。FSBは66/100MHz。     
■168Pin DIMMスロットを3本搭載。メモリは合計768MBまで
 搭載可能。                             
■オンボードでSIS社製3Dグラフィックスアクセラレータチップ、SIS
 6326とフレームメモリ8MBを搭載。SIS6326は、単体のビデオ
 カードとしても発売された有名なVGAチップ。64ビットの3Dアクセラ
 レータ機能を有する。                        
■オンボードサウンドデバイスとして、3D Sound Proを搭載。 
 型番はHT1869V+で99年01週の製造。HRTF 3Dサウンド機
 能を有しており、SPDIFインターフェスも内蔵されていた。     
■ボード上の主な使用デバイスは下記の通り。              
 ・VT82C686A  :チップセット(North−Bridge) 
 ・VT82C596BX :チップセット(South−Bridge) 
 ・SIS6326    :64Bitグラフィックアクセラレータ   
 ・HT1869V+   :3D Sound Pro チップ     
 ・IT8671F    :ITE社製I/O制御チップ        
 ・HY51V18164B:HYNDAI製フレームバッファチップ×4個
 ・AE71C604−39:ASD製クロックジェネレータチップ    
■BIOSはAMIBIOSを搭載。                  
■以下にボードのスペックを示す。                   
項 目
内 容
CPU
intel Pentium-II 233 〜 500MHz
intel Celeron 266 〜 433 MHz
CPU Clock 233 〜 500 MHz
Cache Memory
256KB/512KB PBSRAM L2 Cache を SEC Cartridge に搭載
Chip Set
・VIA APOLLO MVP4 BX-Too チップセット
 ・VT82C686A (North Bridge)
 ・VT82C596BX(South Bridge)
Momory
168 Pin DIMM スロット×3
合計最高 768 MB まで搭載可能
Bus PCI×3本、ISA×1本搭載
On Board VGA SIS6326 3D AGP Video Chip 搭載
On Board Sound 3D Sound Pro HT1869V+ Chip 搭載
Super I/O
COM1、COM2、LPT1、FDD、Primary-IDE、Secondary-IDE
3D AGP VGA、3D Sound、PS/2、USB1、USB2
BIOS AMI BIOS

写真2:PC CHIPS M760V MB 裏面

写真3:VT82C686A (North Bridge) チップセット

写真4:VT82C596BX(South Bridge)

写真5:SIS6326 と 8MB フレームバッファ

写真6:フレームバッファチップのアップ

写真7:3D Sound Pro チップのアップ

写真8:I/O 制御チップのアップ

写真9:クロックジェネレータチップのアップ

写真10:AMI BIOS 周辺部

写真11:I/O コネクタ部のアップ

■コメント                              
 SIS社製の3Dグラフィックス・アクセラレータチップをオンボード搭載
したマザーボードには、Baby−ATフォームファクタのM717がありま
したが、このM760V+はATXフォームファクタでSIS6326を搭載
したマザーボードです。チップセットはVIAのApollo VMP4であ
るBX−Tooチップセットを使用しています。このチップセットはAGP機
能をサポートしており、ボード上のSIS6326をAGPインターフェスで
接続しています。サウンドチップには、PC CHIPS社お得意の3D  
Sound Proチップをオンボード搭載しています。HT1869V+と
命名されたこのチップには、数種類のバージョンが確認されていますが、M7
60V+に搭載されているものは、捺印に「PCI」と「HRTF 3D  
Audio」の文字が見られる後期のバージョンです。製造は99年01週と
なっていました。                           

 ビデオメモリとしてはHYNDAI製の8Mバイトフレームメモリをオンボ
ードで搭載しており、良く見受けられるシェアードメモリ方式のグラフィック
スではありません。現在ではintelの810Eチップセットのように、チ
ップセットそのものの中にグラフィック機能が内蔵されてしまっていますが、
当時はこうして外付けにアクセラレータチップを搭載するのが一般的でした。
このSIS6326は、当時としてはまずまずの3D性能を有していましたが
intelの810チップセットと比較すると、性能的には低いものになって
います。なお、本ボードに搭載されているSIS6326は、AGPV1.0
として搭載され、最高解像度は1600×1200ドットとなっていました。

 オンボードI/Oとしては、Ultra DMA/33のIDEを2系統と
FDDやレガシーI/O、USBを搭載しており、拡張スロットにボードを挿
さなくてもオンボードデバイスのみでパソコンを構成することが可能でした。

 なおSIS6326は、単体のビデオカードとしても発売されていました。
下に示した写真は、SIS6326を搭載したPCIのビデオカード、PT−
80です。                              

写真8:SIS 6326 を搭載したビデオカード PT-80

写真9:PT-80 に搭載された SIS6326

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