■台湾のマザーボードメーカー、PC CHIPS 社製 VIA チップセット搭載の ATX フォームファクタマザーボード、M787CLR。2001年12月13日製造。 PC CHIPS 社は香港に本社を置き中国で生産を行うマザーボードメーカー。 日本での知名度はそれほどではないが、東南アジアでは確固たるシェアを有 している、知る人ぞ知るメーカーである。OEM 供給がメインであるため、自 社ブランドが表に出る機会は少ない。 ■秋葉原の TWO-TOP にて、バルク商品として購入。価格は 13,800 円。当時 このマザーボードは「メーカー不詳」と言われていたが、取り扱い説明書等 を見ると、PC CHIPS 社製であることが一目瞭然。 ■VIA の Samuel2 コア CPU をオンボードで搭載。CPU FAN には、1G Pro と 記載されているが、ショップでの検証では 733MHz(133MHz×5.5)で動作し ているとのこと。従って、VIA のSamuel2 コア C3 の733A MHz 版であるこ とが考えられる。CPU のパッケージは EBGA。マザーボードに半田リフロー で直接搭載されているため、CPU を分離することはできない。 ■チップセットに VIA の VT133 を使用。ヒートシンクが付いたものは、おそ らく 82C693A 。サウスブリッジには 82C686B が使用されている。以上より チップセットはおそらく VIA Apollo 系であることが予想される。 ■AT フォームファクタでオールインワンを実現した、PC CHIPS 社最強のボー ド。PCI×3、ISA×1、AMR×1の拡張スロットを搭載。レガシー I/O に加 え、VGA(3D 機能内蔵)、Sound(AC97 Codec 対応)、LAN(10/100 BaseT 準拠)、USB×2、Modem(AMR カードにより供給)、PS/2、GAME 各ポート を搭載した、まさにテンコ盛り状態のマザーボード。極端な話、このボード にメモリを挿入すれば、即使用可能という恐ろしさ。 ■VT82C686B サウスブリッジチップセットにより、Ultra DMA 33/66/100 に対 応。FSB は 100/133 MHz。 ■168 Pin DIMM スロットを2つ持ち、最大メモリ搭載容量は 1GB となってい る。メモリは PC100/PC133 SDRAM をサポートしている。 ■ボードのサイズは 244mm × 190mm の、Micro ATX フォームファクタ。 ■本ボードは、impress の AKIBA PC Hotline! 2002年1月19日号で初めて紹介 された。その際の WEB ページは、下記の通り。 http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20020119/newitem.html http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20020112/etc_m787.html ■以下にボードのスペックを示す。
CPU | VIA C3 733A MHz CPU(Samuel2 Core) (Socket 370 準拠) |
CPU Clock | 733 MHz |
Chip Set | VIA VT82C693A Apollo Pro133 North Bridge(100/133MHz FSB) VIA VT82C686B South Bridge(Ultra DMA33/66/100) |
Momory | 168 Pin DIMM スロット2個搭載 最高 1GB まで拡張可能 |
Bus | PCI×3本、ISA×1本、AMR×1本搭載 |
Super I/O | COM1 , COM2 , LPT1 , FDD , Primary-IDE , Secondary-IDE PS/2 Mouse, USB1 , USB2 , LAN(10/100 BaseT), Modem VGA(2D/3D Accelerator) , Sound(AC97 Codec) |
BIOS | Phoenix BIOS |
■コメント このマザーボードは、PC CHIPS 社が 1999 年 2 月に発表したオールインワン マザーボード、M741LMR の究極の発展型と言えるものです。同社は以前から、 コスト削減を目的としたワンボードソリューションを展開してきました。 その好例が、1999 年に1枚のみ試作した M591 マザーボードで、このボード にはナント!電源までもがオンボードで搭載されていました。 本ボードはそこまで極端ではありませんが、CPU も含めておよそ通常の使用で 考えられる機能をすべて1枚のマザーボードに集約したもので、低価格パソコ ン向けの製品であると言えます。 筆者は昔から PC CHIPS 社と深いつながりがあり、中国深川の生産工場も見学 してきました。日本では知名度が低い同社ですが、それもそのはずで、昔から OEM に徹したビジネスを展開してきたからです。同社の製品の特徴は、何と言 っても、その過激なまでのマニアックな仕様が上げられます。ボードの安定性 云々を問題にするユーザでは無く、危険承知で遊んでみようというパワーユー ザー層に人気のあるメーカーでした。 本ボードに使用されている主な制御チップは、CPU、ノースブリッジ、サウス ブリッジ、LAN、Sound、BIOS の6つです。モデムは AMR(※)カードで供給 されており、LAN は ATX のオンボードコネクタで提供されています。 CMOS のバックアップ電池には、お約束の JAPAN STD. の文字が見えます。 ※ AMR(Audio/Modem Riser ) サウンドやモデムのアナログ回路および入出力コネクタを装備したライザー カード。ATXなどのマザーボードにAMRを装着するためのコネクタや物理形状な どが、IntelによるAudio/Modem Riser Specificationという規格で決まってい る。AMRには、電気的なノイズを発するデジタル回路から、なるべくサウンド やモデムのアナログ回路を離して実装してノイズの悪影響を抑え、より品質の 高い音声や通信を実現するという狙いがある。 (アスキーデジタル用語辞典より)
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