PSION Workabout

 1995年にPsionが発売した産業用モバイル端末。Psion HC110の後継機種で、デザインや搭載OSなどが格段に進歩している。ヘビーデューティーな用途に特化した完成度の高い端末で、防塵・防水のためのケースの構造には、イギリスの工業デザインのレベルの高さを感じさせられる。CPUにNEC製V30(7.68MHz)を採用し、ROM 1MB、RAM 1MBを搭載している。液晶画面は、240x100ドットのモノクロ3階調である。EPOC-OS搭載機で、民生用のPsion s3aと同等のGUI環境を実現している。後にV30MX(27.684MHz)を搭載した後継機種が発売され、内蔵メモリも2MBに強化された。

workabout.jpg
モデル名称PSION Workabout
メーカーPsion Computers
CPUV30 7.68 MHz(80C86コンパチ)
メモリ容量ROM:1MB、RAM:1MB
LCDディスプレイ240 x 100 dot モノクロ3階調
アクティブエリア
キーボード独自配列英数字57キー
I/Oポート最大3ポートまで搭載可能
LIF、RS232C、TTL等
本体重量325g(乾電池を含む)
バッテリー単三乾電池2本 またはNi-Cd充電池
サブバッテリーリチウムボタン電池(CR2016)
PCカード独自使用SSD 2スロット
寸法(mm)180 (W) x 90(D) x 35 (H)
OSEPOC OS V3.56F

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Workaboutの元箱と本体
Workaboutのカラーリングは黄色が基本だが、本個体はグレーとなっている。

Workaboutのカタログ
ワカバが作成したPsion Workaboutのカタログ。この手の端末で日本語のカタログが存在するのは珍しい。

Psion Workabout
他のPsionシリーズとは全く異なるデザインのWorkabout。産業用端末らしく質実剛健、色気なし。

Psion Workabout背面の銘板
1995年イギリス製マシンであることを示す表示。

SSDとバッテリ格納ユニット
Workaboutには、構造上の驚くべきギミックが施されている。本体上部がガバっと飛び出して、バッテリとSSDカードを格納する仕組みは脱帽ものだ。

バッテリ格納状況
手前にCR1620コイン電池を縦に挿入する。メインバッテリは単3乾電池2本を格納する。

標準のI/F端子
Workaboutには3つの拡張I/Fを搭載することが可能だが、デフォルトでは本体下部にLIF-PFSコネクタ1個が搭載される。

本体上部カバー
拡張I/Fを搭載する場合には、この本体上部にコネクタが並ぶ。RS-232C等のD-Sub 9pinコネクタは、ここに搭載される。

Workaboutのシステムスクリーン
Workabout専用日本語エディタ「JEditw」のアイコンが並ぶ。

JEditwの画面
ボールド化したFONT.14フォントファイルを用いた標準版のJEditwの画面。

JEditweの画面
8ドット恵梨沙フォントを用いたバージョン。1画面当たりの情報量は増えるが、老眼には辛い。

JEditwrの画面
ワカバ製リョービ本明朝14ドットフォントを用いたバージョン。フォントの線が細く繊細な印象。

JEditwdの画面
ワカバ製日本語表示DYLを用いてメニュー画面を日本語化したもの。フォントは、リョービ本明朝14ドット。

日本語表示DYLを用いて作成した日本語アプリ
柴隠上人 稀瑠冥閭守 (Kerberos)氏が冗談で作成した「クトゥルー眷属召喚ソフト」。もう何がなんだか...。でもメニューも含め総て日本語化できている。ビョーキだ。

Psion s3とWorkabout
Psionシリーズは互換性が高く、このようにSeries3用に作成したJEditが、Workabout上でも問題なく動作する。

Psion Series 3上のJEdit
本家、Psion Series 3上で動作するJEditの画面。

Psion Workabout Numeric
特大のファンクションキーとテンキーパッドが搭載されるPsion Workabout Numeric。現場での情報入力に特化したバージョンである。

新旧Workaboutの比較
外観上の大きな相違は、ドロワーキーの位置である。旧型(左)は、液晶ディスプレイの左側に配置されていたが、新型(右)では本体裏側にロック機能付きで配置されている。なお、新型では「mx」の表記が追加されている。

新型のドロワーキー
新型Workaboutでは、ドロワーキーが本体裏側に配置される。赤いボタン状のものは、キーロック機構。細かいところが改善されている。

Workabout Numeric用JEdit
カーソルキーと数個の文字入力キーを用いて日本語入力を行うNumeric用JEditの画面。P/ECE用日本語エディタのP/Editのノウハウが注ぎ込まれている。

謎のオプションBOX
Numericバージョンに装着されている謎のボックス。RS-232C I/Fコネクタと、おそらくメモリカードを挿入すると思われるスロットがある。

Workaboutエミュレータ上のJEdit
左列上から、WorkaboutのOS起動画面、14ドット版JEdit、Wordabout Numeric版、右列上から、プログラムアイコン、8ドット版、日本語DYL適用版。