格納途中のThinkPad 701C バタフライ・キーボード
フル・キーボード状態から格納状態へ変形途中の姿。やはりこのメカはスゴい!スゴ過ぎる!! ヽ(`Д´) ノ


■てふてふ(バタフライ)・キーボード (2005/08/06)
 キーボードには拘りを持っていた筆者であるが、超有名なThinkPad 701C、いわゆる通称「バタフライ」のキーボードは、まだ見たことが無かった。前々からそのメカニズムに興味を持っていたのだが、何せ1995年に発売されたモデルである。本体はそうそう手に入らない。そんな中、偶然保守部品として、キーボードASSYのみ入手することができた。液晶パネルに連動してキーボードが動作するところは見ることができないが、変形メカの仕組みは十分堪能することができる!マンセー!!

 ThinkPad 701Cは、1995年に発売された。当時の価格は確か、50万円くらいであったと記憶している。猛烈に高いB5サブノートであったが、世界で初めて変形キーボードを搭載した非常にユニークなマシンであった。その先進性とデザインが高く評価され、現品はニューヨーク現代美術館(MOMA)に永久保存されていることは、余りにも有名。

 さて、キーボードがどのように展開するのかを見てみる。本来ならば液晶パネルを開閉することで、キーボードが分割・収納されるのだが、今回はキーボードASSYのみなので、手動で行うことにする。通常使用時、即ち展開されている状態で、キーボード右下をグィッと押すと、キーボード右側部分が分割する。そのまま右側部分を上部へスライドさせると、あるところで左側へ移動を開始する。即ち「Γ」のような移動経路を辿ることになる。右側部分が左側へ移動を開始するのに合わせ、今度は左側部分が右方向へスライドし、全体が再度合体。これでめでたく収納が完了する。

通常使用時の701Cキーボード
B5サイズの本体両側から、キーボードがはみ出している状態。


キーボード収納開始 #1
キーボード右下端を上方へ押すと、キーボードが左右にガバッと分割。続いて右側部分が上方向へスライドする。


キーボード収納開始 #2
キーボード右側部分が上がり切ったところ。この時点から、右側部分は左方向への移動を開始し、同時にキーボード左部分は右方向への移動を行う。写真にクリップが写っているが、これは動作を固定するために取り付けたもの。


キーボード格納終了!
左右に分割されていたキーボードが再び合体。本体からはみ出ていた部分が、きちんと格納されている。こうして見ると、普通の小型キーボードのようだが、配列を見れば違いはすぐにわかる。F4キーの横にYキーがあるんだもんなぁ・・・・


 このキーボードは、IBMのジョン・ピー・キャリディス氏他2名により、特許出願されている。特許電子図書館にて、「ジョン・ピー・キャリディス」と検索をかけると、その詳細な明細書を閲覧することが可能だ(特許公開平08−286798)。発明の名称は「バイアス式可動キーボード・セクションを備えるキーボード、およびそれを有するコンピュータおよび装置」となっている。

 バタフライ・キーボードを採用したThinkPad 701Cは、発売後レア・アイテムとして人気上昇。2002年のThinkPad10周年記念には、本体の65%の大きさである701Cのプラモデル「モスキート(Great Mosquito Special(GMS) 2630-3MQ)」が発売された。ノートPCのプラモ版が後から発売されるというのも、大変珍しい現象だ!

 メカ部分の開発と製造に、かなりのコストがかかった701Cであるが、是非このユニークな構造を持つノートパソコンを復活させてもらいたいものである。

収納途上のキーボード部分のアップ
良く見ると、Mキーの上部とJキーの下部(赤丸を付けた部分)に、固定用のノッチが付いている。


701Cキーボードの裏面
赤い四角で囲んだ部分がスライドメカ。左側に3個のー「Γ」型の溝と、右側の「−」型の溝がある。分割後、キーボード右側は「Γ」型のスライド溝に沿って移動。キーボード左側は「−」型のスライド溝に沿って移動する仕組み。


701Cキーボードの銘板
キーボードメカには、有名なキートロニクス社のものが採用されているのが判る。


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