■退廃的互換機趣味(其之十六) (2009/05/15)
【Windows For Workgroups + Win/V】
Windows For Workgroups Ver3.11は、標準でネットワーク環境を有していなかったWindows 3.1に、ネットワーク機能をアドオンしたOSであった。しかし、日本語版がリリースされなかったため、日本での知名度は低い。一方、Win/Vは開発コードネームを「秋津」と言い、1993年8月にC.F.Computing(あのDDDを開発した会社で有名)が開発を発表、1994年2月にNifty-Serve上にて製品版1.00が出荷されたソフトウエアである。1.44MBの3.5インチFDたった1枚に収まったこのソフトウエアは、Windows Ver3.1、3,11、Windows for Workgroups Ver3.1、3.11等の英語版OS上で、日本語環境を構築するためのものだった。
そもそもWin/Vが出てきた背景には、Windows for Workgroupsの日本版がリリースされなかったことがある。加えてROMベースで英語版OSを格納しているHPのOmniBookのような端末で、日本語を使用したいという需要もあった(当時、ROMベースのWindows OSで日本語版は無かった)。一方海外では、英語環境のPCに手を加えること無く、簡単に日本語環境を構築することができたため、国際的なビジネスをおこなっている人には重宝されていた。
1995年11月のWindows95の発売までは、日本におけるDOSやWindows 3.X上でのネットワーク環境構築は、基本的にLAN ManagerなどDOSベースのネットワーク機能に依存していた。そこで、ネットワーク機能を有するWindows For Workgroups Ver3.11に、Win/Vをインスコして使うという方法が注目された。Win/Vは価格も低くインストールも極めて簡単であったため、かなりの話題となる。しかし、今となっては、その存在を覚えている方も少なくなってきた・・・
Windows For Workgroups Ver3.11については別途詳しく述べることとして、今回はWin/Vについて見てみよう。3.5インチのFD1枚で提供されるため、フォントは最低限のビットマップフォントしか搭載されていない。よって、後で日本語版Windows 3.1JからTTFを組み込む必要がある。日本語入力システムについても同様で、Windows 3.1JのIMEを別途導入する必要がある。少しメンドウではあるが、最初にこれだけ準備すれば、英語版OS上で日本語処理が行えるようになる。
今回使用したWindows For Workgroups Ver3.11は、アップグレード版であったため、最初に英語版Windows 3.1を導入しておく必要がある。さらに、上述したTTFやIMEを組み入れるため、日本語版Windows 3.1Jも必要になってくる。メンドウなので、借り腹方式に用いるHDDに、日本語版、英語版Windows3.1及びWindows For Workgroupsを全てぶっこんで、環境を一気に構築した。
Windows For Workgroupsのネットワーク環境は、Windows95に実装されるものを一部搭載してはいるものの、NetBEUIかNetWare互換プロトコルしか用いることができなかった。TCP/IPを使用するには別途Windows For Workgroups 3.11向けのTCP/IPプロトコル用ドライバが必要であったが、このオハナシはややこしいので後にしよう。
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