早いもので、製造後23年を経て無事車検を通過した日産サニーH B12 BFY。次の車検時には25周年記念となる。フロントウインドウに貼られた車検証シールを感慨深く見つめる。


■車検 (2009/07/22)

 昭和61年7月23日に新車で購入した我が家の唯一の実用車、ニッサンサニー。ワンオーナーで正規ディーラー整備を一度も欠かさずに受け、2009年7月時点で23年間乗り続けてきた大衆車。その昔、直線定規だけを使ってデザインされた、とまで言われたこともある、どこまでもまっすぐなボディーは、今とはってはレトロで貴重な存在感があると思っている。そんなサニーも、23年目の車検を受けることになった。

 実はこの車、過去にかなり大きな危機に2回遭遇している。最初は、購入後10年目の車検。冷却系のホース類が軒並み劣化し、総取り替えとなった。当然、かなりの整備費用がかかったが、何とか乗り切ってきた。そして二回目は3年前である。この時は燃料系、点火系に劣化が生じた。実際、この時の整備では、もう限界かと半分諦めたこともある。しかし、ここまで来たら根性を見せるしか無いので、それなりの金額を支払い、全て直しておいた。おかげで、キャブレターは新品だし、タイミングベルトも新しくなった。因みにこの車は「電制キャブ車」であるからして、ちゃんとキャブレターが付いている。

 そして今回の車検である。不具合になりそうな点は、これまでに虱潰しで直しておいたものの、まだ残っていた。フロント・ロア・アームのロアボール・ジョイントブーツに、経年劣化のヒビが入っている状態で、車検が通らないのである。加えて、ウインドウウオッシャーポンプも不調だ。旧車マニアやユーザー車検をされた方ならお判りだろうが、最近の車検では、ウインドウウオッシャー液の散布がきちんとできているかどうかが、項目の中に入っている。

 ジョイントブーツ単体のみであれば、単金も安く上がるのであるが、在庫が無い。ロアアームASSYの全交換になってしまう。それでも部品があるだけマシだった。ウオッシャーポンプも同様で、ポンプ単体での部品は無く、ボトルも含めたASSY交換となる。金額的には、過去2回の危機に比較すれば少ないものの、想定外の出費はかなり痛かった・・・

 今回、徹底的に見てもらったこともあり、当分は大手術ということには無さそうである。意外だったのは、製造中止後20年以上経過している車種の割には、パーツがまだ豊富に残っているということ。部品単体では無理だが、ASSYとしてはかなりの量が保存されているようである。しかし、在庫部品についてはフィアット500の方が上だ。筆者の主治医である「オンタリオSS」さんには、部品単体での大量のストックがあり、旧車だが安心して乗り続けることができる。ありがたや、ありがたや・・・

 車検通過後、一ヶ月もしないうちに、パワーウィンドウのスイッチが経年劣化により破壊してしまったが、動作に問題が無いのでそのまま使っている。安全面に関係ない部分は、多少みっともなくても全然気にならない性格である。見栄とか権勢欲とか無縁の筆者だから、大衆車を23年間も乗り続けて来られたのだろう。実際、この車は自分の手足の一部と化しており、他に欲しいと思う車も無い。(実は2CVが欲しいのだが、これは実用車では無く趣味車なので、ここでは除外することにする。)

 この車をホカすのは、いよいよもってどうしようもない状態になった時だ。例えばコンピュータが死んだとか、イグナイターが逝ったとか・・・世の中、エコだエコだと言っているが、車1台製造するにもホカすにも、莫大なCo2が排出される、という事実を正確に認識しているヒトは少ない。真のエコとは、「使えるものは使う」という姿勢ではないか?さすがに最近は少なくなったようだが、新車を購入して最初の車検で買い換える、といったようなことをするヒトの気持ちがワカランよ・・・

今回ASSY交換となったウインドウウオッシャーポンプ部分。ポンプ劣化のため、洗浄液の出が悪くなっていた。ウオッシャーが不調であると、車検に通らない。

今はもう電子化され、どこのディーラーも使用していない「主要整備部品カタログ」、1991年12月版。一応、1985年以降に製造されたB12型サニー全てに適応されている。この前、本書をディーラーに持って行って見せたら、驚いていた、というか、こういうカタログを見たことが無い方がほとんどであった。時代は確実に変わっている・・・

今回大手術を受けたフロント・ロア・アーム部分のイラスト。四角い赤枠の部分全てをASSY交換しているが、実際に劣化していたのは丸い赤枠の部品のみ。まあ、部品単体では入手できないとのことなので致し方ない。

交換したフロント・ロア・アームの部品番号詳細。左右に付いているものだから、2つセットで交換になる。本来ならブッシングの交換だけで良かったのだが、部品単体で入手できなかったため、ASSY交換となった。結構痛かったなぁ・・・

車検から戻ってきて早々に経年劣化で破壊したパワーウィンドウスイッチ部分。正確に言えば、スイッチを覆うプラスチックカバーが破損しただけなので、スイッチそのものを押してやれば、正常に動作する。多少見てくれは悪いが、問題無く動くのであれば、気にしないO型の筆者であった。

ニッサン・サニー、H B12 BFYの外観。好きだなぁ、この直線的なデザイン。エンジンはE15型で1500cc。走行距離は23年も経過しているにも関わらず、たったの55,000kmである!登録は昭和61年7月23日。亡き父の形見でもある。

23年落ちのニッサン・サニーのエンジンルーム。このクルマは「電制キャブ」方式であるからして、ちゃんとキャブレターが付いている。昭和のクルマ然とした佇まいだねぇ。。。
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